昔、意地の悪いウィルという男がいました。
ウィルは一度死ぬのですが、 天国と地獄の門番の聖ピーターに やり直すチャンスをもらいます。 けれども、ウィルは二回目の人生でも 反省してよい生き方をしようとしませんでした。 |
彼は、再びその生涯に幕を閉じ、 聖ピーターの元へと向かいましたが、 聖ピーターはどちらの門も通させてはくれませんでした。 ウィルはあまりにも日頃の行いがよくなかったので、 天国はおろか、地獄にさえも行くことが出来なかったのです。
天国への門を閉ざされたウィルは煉獄(れんごく)をさまようほかありません。 死者の世界へ行くこともできず、幽霊として漂い続けるしかないのです。 煉獄は天国でも地獄でもない場所、つまり狭間の世界です。 |
そんなウィルの姿を見て、かわいそうに思った悪魔が、体を暖めることができるように ウィルに地獄の炎のかけらをあげました。
ウィルは地獄の炎を宿した石炭を手に煉獄をさまよい歩いています。 彼のさまよう炎は鬼火、ウィルオウィスプとして人々に恐れられました。
ウィルオウィスプは墓場や沼地によく表れると言われています。 ジャックオランタンもウィルオウィスプの一種と考えられています。 |